東南アジアの「大丈夫だよ」

東南アジアの「大丈夫だよ」

東南アジアと言えば常夏をイメージしがちで、そこに住んでいる人は皆大らかな心を持つ人ばかり。
そんなふうに考えてはいませんか?

確かにあながち嘘ではありません。
多少のことであれば「大丈夫だよ」で済むことがあります。
こちらが謝罪をすれば「大丈夫だよ」と笑っていってくれることもあるでしょう。

ベトナム語で「大丈夫だよ」

おそらく短期間でもベトナムに滞在していれば、一度や二度は聞くことがあるでしょう。
それが「大丈夫だよ」です。

Khong sao(ホン サオ)
→大丈夫だよ!

このページで紹介したベトナム語のフレーズを音声で聞くことができます。

となります。短いフレーズなので覚えやすいですね。
筆者の体験談を1つご紹介しましょう。

筆者は先日、ホーチミンからフェリーで90分ほどのところにあるヴンタウというビーチエリアに行きました。
筆者はタクシーに乗って町を走っていたのですが、隣を併行して走っていたバイクが突然よろけて、タクシーの側面にぶつかったのです。

日本であれば警察呼んで保険がどうたらこうたら大事になることでしょうが、そのタクシーの運転手はバイクのライダーに向かって「khong sao(大丈夫、気にするな)」と言ったのです。
これには筆者もびっくりしましたね。

都心は「ホン サオ」では通じない?

「大丈夫だよ」で有名なお国は微笑みの国タイですね。
「マイペンライ=大丈夫(気にするな)」という気質の国と思われがちですが、どうやら実情は異なるようです。
そもそも「マイペンライ」とは大丈夫という意味ではなく、「責任を問わない」という意味あいが強く、「仕方ないよ」と言う解釈をするべきなのです。

さて、ベトナムのホーチミンを見てみましょう。
先ほど筆者はブンタウでベトナム人の懐の深さを知ったのですが、実は……「筆者はホーチミンでkhong saoを聞いたことがない!」のです。
バイクや車がぶつかったものならば、そこで交わされる言葉はkhong saoのような悠長なものではなく、ありったけの相手を罵る罵詈雑言。

「うーん、話に聞いていたkhong sao という言葉は……」

都市部に生きる人たちは皆さんストレスを持って、なかなか心に余裕がない様子ですね。
まあ、これは東京でも似たようなものですので、あれこれ文句は言えないのですが…。
東南アジアに長く住んでいれば、本当の「大丈夫だよ」の意味と、その使い場所を理解できることでしょう。

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