日本とは異なる「分かる」の使い方

日本とは異なる「分かる」の使い方

「そういえば、○○君は学校に来てる?」
という学校の教室のワンシーンを思い浮かべてください。
先生が生徒にこう質問すると、皆さんは何と答えますか?
「分かりません」と答えますか?
それとも、「知りません」と答えますか?

おそらく日本人のニュアンスからすると、どちらも同じですね。
しかし、ベトナム語では「分かりません」と「知りません」は必ず使い分けます。

「分からない」と「知らない」の違い。

これは英語で例えた方が分かりやすいですね。
英語だと、「分かる=understand」、「知る=know」です。
中学英語なので、英語が苦手な方もこれくらいはいけるでしょう。

例えば、「あなた、私の言っていること分かりますか?」とベトナム人に聞かれたとします。
その場合、「知りません」とは答えませんよね。
なぜなら、これは理解度を訊ねているからです。
ですので、答え方も「理解しているか、していないか」となります。
よって、「分かる=understand」もしくは「分からない=don’t understand」と答えます。

では最初の例題の「そういえば、○○君は学校に来てる?」だとどうでしょうか。
もし、これを「分かりません(don’t understand)」で答えると、「先生の質問の意味が理解できません」という訳になってしまいます。

そしてベトナム語も同じことが言えるのです。
では早速見てみましょう。

Toi khong hieu(トイ ホン ヒウ)
→私は分かりません(理解できません)

Toi khong biet(トイ ホン ビエッ)
→私は知りません(知識or記憶にありません)

このページで紹介したベトナム語のフレーズを音声で聞くことができます。

このようになります。
もしベトナム人に「あなた、私の言っていること分かりますか?」と質問されたら、「Toi khong hieu(トイ ホン ヒウ)」と答えましょう。
一方、ベトナム旅行中に、もしかしたら現地人が皆さんをベトナム人と間違えて、道を尋ねてくることがあるかもしれません。
その場合は、知識を訊ねているわけなので、分かりませんではなく知りませんとなります。
よって、「Toi khong biet(トイ ホン ビエッ)」となります。

日本語はよくも悪くも曖昧な言葉のやりとりで意思疎通ができる言語です。
しかし、外国語では時として明確な答えを求められる場合がありますので、日本語の雰囲気を外国語に持ち込まないようにしましょう。

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